心の旅の想い出アルバム

「早春野(かすがの)」は私の詩集です。
折々に感じたことをそのまま書きました。
読み返すたびに、当時の状況が浮かんでき
ます。                                

私にとっては心の旅の想い出アルバムです。


1995/12/10
まんぽう
北九州市戸畑区
 
 


 
  春......早暁
 
 


 
  「早春の野」

早春の野に咲く花のように
蝶と戯れる子供たち
そよ風にシャボンを浮かべ
紫陽花の中を飛び回る
澄み切った大気の中で
味わう この心地よさ

 
 


 
  「朝ぼらけ」

朝ぼらけの海辺

薄靄の中から、静かに寄せる波

手足を冷たく包み、去っていく

波に合わせたように打ち寄せる朝靄

機関の音が朝靄を破ってくる。

砂に足を洗われ

白い色の中に、日の輝きを見た。

 
 


 
  「一輪の桔梗」

一輪の桔梗に
可憐さを感じる

薄紫色の小さな花びらに
そのひ弱そうな姿に

思わず抱きしめたくなるような
そんな気持ちをいだかせる。

誰を待つというでもなく

只、

そのまなざしで

何かを、ひたすらに、見つめている。

愛苦しくもあれば
頼り気でもなく

一輪の花として

花瓶にでも
草むらの中にでも
ひっそりと佇むその姿は

言いようもなく
妖艶な心をいだかせる。

一輪の桔梗の花に。

 
 


 
  「小さな子供たち」

小さな子供たち
両親に手を引かれ
おもちゃ屋さん、金魚屋さん、..ばかり見て歩いている。
口の回りには、アイスクリームがいっぱい。
小さな手をいっぱいに拡げて水ヨーヨーをたたいている。
中々、上手にはいかぬ。

花火を両手一杯に抱えこんで
もう、
帰ることしか考えていない楽しさ。

可愛い子供たち。
 
 


 
  「雨降り」

雨降りの水溜まりに、
水玉が小犬のように遊んでいる。
飛んだり、跳ねたり。
屈託なく
楽しさを体いっぱいにして

楽しく楽しく遊んでいる。

 
 


 
  「瀬戸」

瀬戸の海は
薄モヤ色のキャンバスに
淡いブルーの島々を
遠く近くに撒き散らし
小春日和のうたた寝を。

瀬戸の海は
砂金の小粒を撒き散らし
光の汗を噴き出して
秋の陽射しとお戯むれ。

瀬戸の海は
大船小舟を抱きかかえ
右に左に縦横に
白い糸を細長く
澄んだ青に描かせて
子共のようにお遊びを。

瀬戸の海は
あるがままのそのままを
何逆らうこともなくそのままに
母が与える乳房のように
求めるものを抱きかかえ
秋の陽に温める。

 
 


 
  「野の花」

野の花は、
その美しさを
知らないでいる。

野の花は、
その可憐さを
知らないでいる。

野の花は何も知らない。

 
 


 
  「早暁」

早暁のせせらぎ
絹をまとった目
息吹き

 
 


 
  「涙が一滴」

花びらが一枚散るごとに
青葉が黄色くなるごとに
心に涙が一滴。
根無し草のあてもない
雲のように漂いゆく

小犬のように戯れ
恋を知り
語り明かしたコーヒーの味
今はもう.....。

一人詩を書く辛さ....。

 
 


 
  「朝焼け」

朝焼けのすがすがしい空気か
それとも
夕焼けの燃える雲か
それとも
暗闇か。

 
 


 
  「松林」

流れゆく松林の
木の間に見え隠れする島影

春の陽を全身に浴び
ゆったりと海に抱かれている。

隠れんぼをしているような
鳥たちのさえずり

低い木立の中の赤いツツジ

何もかも
春の陽ざしと青空と

松林に抱かれている。

 
 


 
  「まだ見ぬ人」

垣根越し
雨に佇む紫陽花に

まだ見ぬ人の面影を知る。

 
 


 
  「早暁は始まった」

鈍く垂れた空と山の
ほんのわずかの切れ間から
早暁は始まった。

切り絵のような山陰
今にも降りそうな雲

そのほんのわずかの切れ間に
赤い底のない赤さが拡がってゆく。

少しの青空に染み込み
瀬戸内の島々にこだましてゆく

燃えるような深黒の屋島
赤い波の輝きの中に、
飛び交い始めた海鳥たち

白いはずのその体も
暗い空に舞う火の粉のようだ。

 
 


 
  「朝焼け」

瀬戸内の、目覚めぬ島々に
朝焼けが
こだまのように拡がってゆく

赤く、白く、乱舞する波

薄絹をまとったような四国の山々

突然浮かび上がる舟影
汽船の航路が赤く続く

目覚め始めた高松の町が
朝靄の中に浮かび

早暁の光と、潮風の冷たさが
全身を包む。

 
 


 
  「明かり窓」

青い空が広がっている。

小さな窓いっぱいに広がっている。

暗い作業場に
明かり窓を通して

青い空が広がっている。

 
 


 
  夏......愛
 
 


 
  「小雨の中」

小雨の中に佇む紫陽花よ
何を想っているのか
帰り来ぬ人を待つのか
それとも
まだ見ぬ人を待っているのか
その優しさがあれば、
その美しさがあれば、
捨てる人もなく
振り返らぬ人もない。
今にも手折れそうなその姿に
その可憐さに
私が心を奪われているではないか。
紫陽花よ元気をお出し。

 
 


 
  「どうしようもない」

どうしようもない空しさが
腹立たしさが
込み上げてくる・・・・。

何が欲しいのか
何をしたいのか

それさえ判らない・・・・。

 
 


 
  「愛が欲しい」

愛が欲しい。
一人は嫌だ。
たまらなく淋しくなる....

愛が欲しい。
愛されたい。
淋しいのは嫌だ.....

 
 


 
  「腐れ果てた」
腐れ果てた「詩人たち」よりも、
詩を書けずに
闘っているあなたが好きです。

詩を見せたがる「詩人たち」よりも
詩を捨てたあなたが好きです。

感性は違っていても
ひたすら闘っている
あなたの姿が好きなのです。

愛されたくても愛されずに
愛そうとしても愛しきれない
そんなあなたが好きなのです。

 
 


 
  「ジリジリ照り付ける」

ジリジリ照り付ける太陽に
焦がすような蒸し暑さ

アスファルトには陽炎がたちのぼり
車のハンドルも焼け付く

空気は動かず
扇風機の生温かさに苛立つ。

樹の葉は茹だり
犬猫もだらしなく寝そべる

そして、
時折醸し出す蝉時雨の喧騒とが
一体化するとき
耐え切れなく体中から汗が噴く

時計の針は一向に進まず。

 
 


 
  「人は感じ」

人は感じ、思い、考えます。
それを、有形、無形の活動を通じて表現しようとします。
理解して欲しい、解って欲しいと願っているのではないでしょうか。

人とは、そうしたものなのではないでしょうか。
それが、個性であり又人間性なのではないでしょうか。

でも、
解ってもらえず、それのみか曲解され誤解されるとき
人は、どんなに辛く、悲しく感じるでしょうか。

理解してもらえないこと、
これほど、淋しいことはないと想います。

素直に感じてあげて下さい。
理解してあげて下さい。
大切ならば.....

 
 


 
  「夏の夜」

夏の夜の月は煌々と冴え
山の端は黒く浮かび
海は暗く沈む。
彼岸の灯が
有り明けの海に揺れる。
黄色く揺れる灯、
赤く揺れる灯、
漁り火か....。

 
 


 
  「苛立たしさ」

苛立たしさが身体中を突き刺す。
悲しい。
情けない。

 
 


 
  「人を人として」

人を人として愛せる。そういう人に巡り会いたい。
生きる喜びを、楽しさを、又苦しさを、あるがままに
感じあえる人に巡り会いたい。
愛を愛として、愛されなさを苦痛と感じる人に
巡り合いたい。
そう生きたいし、生きていきたい。

 
 


 
  「The sky」

The sky is blue,
There ,white clouds is flowing.
The forest is green,
There,little birds is singing.
The sun is shine,
There,cool shade is being.

But,.....
But I .....I miss you.

 
 


 
  「別れ」

愛おしい人との別れ
それを惜別とは思いたくはない
それが邂逅の一言に終わってしまうことに
只、淋しさを感じる。

 
 


 
  「忘れ得ぬ顔」

忘れ得ぬ顔
苦しさがある。
従順な、悟りきったような。
無を感じる。
それ故に愛しい。
そして空しい。

 
 


 
  「恋心」

子どものような
無邪気な恋心

忘れ去ったものに
一抹の寂しさを感じる。

想い出したい。

 
 


 
  「孤独」


愛なき孤独というものは恐ろしい。

 
 


 
  「充たされないもの」

充たされないものが
拡がっていく。
何が無いのか.....
解らない。

 
 


 
  「意識」

意識として、観念の世界に居る君よ!
実在を知らぬ君よ!
私は、暗雲の下で、
君の存在を信じる!

 
 


 
  「愛すること」

愛すること
人を愛するということは
私にとって、辛いことなのです。
本当は、幸せであるべきはずなのに....
私には、解ります。解るのです。
それは、
愛されていないからなのです。

愛されるということを
私が知らないからなのです。

私が、孤独だから....。

 
 


 
  「仮面」

自分のお人良さにはあきれる。...本当に我ながら。
仮面なのだろうか?........解らない。
仮面である面も多分に持っているのは確かだ。
計算されたずるさ、
時にはその中にはまり込んで抜け出せなくなる時もある。

あの人も解らない。本当は何を考えているのか。
まるで、子どもをからかうような振る舞いにでる時がある。
それとも、自然な底抜けの朗らかさからくるのだろうか?
今度だけは止した。
そういう形で自分のお人良さの掛け合いはしたくない。
人と人とを天びんの両端にかけるようなことは。

 
 


 
  「愛」

私に愛をください。
<空しさ>ではなく<実態>としての愛を
<空しさ>を愛することの淋しさを理解してください。
本当にどうして良いか解らないのです。
子どもが、母親の乳房を求めるように
愛を求めています。

 
 


 
  「名もなく」

”名もなく
貧しく
美しく”

何と素晴らしい言葉だろう。

何百何千の言葉より
私の心に染みていく。

 
 


 
  「何も聞こえない」

あなたは、私に何を求めているのか。
私には何も聞こえない。
私は、あなたに
只、愛を求めているだけなのに。

 
 


 
  「愛の糸」

人と人との交わりの中に
愛があれば、憎しみもあり、
喜びもあれば、別れもある。

そんな悲喜こもごもの交叉の中で
一本一本の糸を確かめながら
心の中で弾いてみたい。

愛の糸、悲しみの音色
そんな曲を奏でてみたい。

 
 


 
  「人を愛し」

人を愛し、そして愛されないならば
そんな愛されない愛なんて
どんなに無力で空しいものだろう。

 
 


 
  秋.....生命

 
 


 
  「空気はうだる」

空気はうだるように暑く
体中の力が抜けていく
五感は一体化せず
のた打ち回っている

陽炎はもうもうと立ち上り
命を焼き尽くしていく

 
 


 
  「人は言う」

人は言う、
生きるのだと・・・・。

人は聞く、
生きるとは何なんだと・・・。

意味があるのか!
考える意味があるのか!

違う!絶対違う!

意味じゃない、考えるのじゃない!
感じるのだ!
この心と体で感じるのだ!

欲しいのは それだけなんだ!
本当に それだけなんだ!

 
 


 
  「晩秋の朝」

晩秋の朝の陽ざしの中に
狂い咲きした赤いツツジ花。

何か悲しくも、
楽しくもある。

 
 


 
  「同じ一生」

同じ一生を生きるなら、
素朴で、
素晴らしい人生を送りたい。
素朴でも、貧しくとも良い。
清く生きたい。

 
 


 
  「虚飾」

虚飾の為に、
虚飾の殻をまとい、
わが身失い、
死を待とうとは思わない。

一瞬でも、輝き、
短くとも、
充実した生を生きたい。

 
 


 
  「自らの」

自らの生が滅びるなら、
それでも良い。
自分なりに
心から満足して
生きていけたのなら。

満足さゆえに、
自らの生が滅びるのであろうとも、
心から、生きていけるのなら、
それで良い。

 
 


 
  「人の悲しみ」

人の悲しみを、何故、自分のものとして
感じられないのだろう。
これほど、自分を感じて欲しいと
思っているのに。
まだまだ、
人間になれない。

 
 


 
  「悲しさが」

悲しさが、辛さが
乾いた砂に沁み込んでゆく

風が砂を撒き上げて
止めようもなく荒れ狂う。

どうしたら、本当にどうしたらいいのだろう...

 
 


 
  「広大な空間」

広大な空間
宇宙の彼方の太陽の悶え
伝わる
闇の中を
漁り火のような肉体に

 
 


 
  「疎外」

疎外、疎外、疎外
果てしない体の流れ
23
終わりのある生の歴史
そして疎外

 
 


 
  「生と死」


生と死の両極的対立
狂気 乱舞

 
 


 
  「小犬」

霧雨とスモッグ
濡れた車道と人波
薄汚れた板塀
ゴミ箱と小犬
あばら骨は死のみ
生活力
感じるのは無力。

 
 


 
  「陽炎」

切りつめられた人間性の中で
全生命は奪われていく。
只、生きている。
喜びも楽しさも悲しみもない。
あるのは感性の苦痛のみ。

陽炎でもよい。
感性的に生きたい。

 
 


 
  「明日がない」

明日がないという毎日は
耐えられない。

 
 


 
  「もし」

もし、私が死んだら
何が残るでしょうか?
愛が残るでしょうか?

それとも、憎しみが。

何もなかったかのように、
私が生きていたなど嘘のように、
いつもと変わらぬ日々が、
月日が流れていくでしょうか....?

でも、私には解らない。
生きていないから。

 
 


 
  「老人が死んだ」

老人が死んだ
ヨボヨボの老人が
顔に手に深い皺を刻み
昨日まで生きていた老人が

死の儀式が済み
後は、変わらぬ日々が過ぎていく。

老人は今はもういない
でも彼は生きていたのだろうか
本当に生きていたのだろうか!

誰も知らない
老人が生きていたなど...
誰も知らない....

でも彼は死んだ。

 
 


 
  「小猫よ」

小猫よ。お前は何故ないているのか、そんなに。
何か食べたいのか?
寒くてないているのか?
それとも親が恋しくてないているのか...?

でも、何もしてやれないよ。

誰がお前を捨てたのかい
恨んでいるかい?
憎んでいるかい?
でも、無駄なことだよ。

食べ物を捜しにおいき
温かいところを捜しにおいき
泣いてもなにもありはしないよ

そんなに、
なかないでおくれ.....

 
 


 
  「老人」

老人を観る毎に
感じるのは
私も永くはないうちに
そうなるのだなと。

色んな人がいるように
老人の人格も多い

私がどんな老人になるかは解らぬ

が、個性を持った老人になりたい。

 
 


 
  「生命力」

動物たちの限りない生命力をみていると
人の命のはかなさを感じる。
小猫、小犬等の力強さ
それが、私にはあるだろうか.....。

 
 


 
  「一人の老婆」

一人の老婆が死んだ・・・・・・あっけなく。
垣根越しに見るその遺影
静かに目をつむる。

 
 


 
  「自殺」

新聞を毎日賑わしている自殺
悲しい世の中だ。

苦しみも又生きることではないのだろうか
死んで何になるのだろう。

死んで楽になるより
生きて苦しみたい。

新しく産まれてくる子ども達の為にも
そして、今生きている老人たちのためにも

生き抜いて闘ってください。

たとい、今が苦しくとも
生きることは楽しいじゃありませんか
何も感じなくなるより....。

 
 


 
  「人間性の売却」

人を商品として取り扱うことの中に
人間性の売却の中に
人間性が失われていく
相互の荒廃が産まれていることに
気づかなかった。
すさんだ心の傷を治さねば、
互いに。

 
 


 
  「たくましさ」

小犬に、小猫に小鳥たち
本当に小さな生き物たち

人間でさえ耐え難いなかで
どうしてそうたくましいのか

多くは死んでしまうのだろうが

それでも

そのたくましさには驚かされる。

 
 


 
  「渓流」

山々の重なりが、渓谷の奥深くまで続き
日向と日陰のコントラストが素晴らしい

近きは、紅、黄、緑に包まれ
遠くは霞みの中に浮いている

渓流は岩肌を抱くように流れ
その色は青いというより深緑だ

夏には子供等が泳ぎ
冬は雪にうずもれる

狭い空に、深い谷に
その様がこだまする

 
 


 
  「コスモス」

雨の中に咲いているコスモスは
何かうら悲しさがある。
コスモスは
秋の陽の中で咲き誇っているのが
一番ふさわしい。
秋の陽を浴びたコスモスは
すがすがしい。
コスモスは、秋の陽ざしと青空と
爽やかな風が一番ふさわしい。

 
 


 
  「鉛色の雲」

鉛色の雲のように
重く沈んだ心
何もかも、暗く歪んで見え
心の中は一層冷たくなるばかり
毎日毎日が疲労感で押し潰されて行く
偏頭痛には悩まされ
感覚が次第に失われていく

遠い遠い世界のことが、時折心の中に浮かんでくる。

何もかも捨て去れば....
...悩みも苦痛も消えるだろう。

悩み苦痛を抱いたまま
生きていくのは...
余りにも辛い。

でも、生きることは
捨てられない。

 
 


 
  「愛も心」

人を愛する事を教えてくれた両親と祖父母
でも、
愛することの苦しさ辛さ悲しさに
耐えることは教えてくれなかった。

いくら泣いても叫んでも
それでも愛することしかできない。

愛せなくなったら、信じられなくなったら
命はもはや無用のもの

愛する心を失ったら
もはや命は無用のもの

 
 


 
  冬.....力強さ

 
 


 
  「窓に」

窓に
冷たい夜のカーテンがおり、

真昼の気だるさが
静かさの中に引いていく。

眠たい心を揺り起こし
明かりの中で読む詩集。

聞こえるのは寝息のみ
一人目は文字を追う。

 
 


 
  「大村収容所」

今日唯一の悲しいこと、

それは、

大村の
強制収容所を
見たことだ。

 
 


 
  「心とは裏腹に」

心とは裏腹に、常識の中で、時間は過ぎていく。
自分の力ではどうしようもない感情に流されていく。

馬鹿な男よ。

何も、解決できぬとは!

 
 


 
  「貧しさ」

貧しさや不自由さで
人を思ってはいけない。

そう見ている
そのことの方が、

どれだけ、

心の貧しさや不自由さを
証明していることだろう。

 
 


 
  「私は」

私は、大人になれない

子どもなのかもしれない。

 
 


 
  「悲しみや」

悲しみや、苦しみにふれ
心の糸が共鳴している。

鋭敏に張りつめられた糸たちに
悲しみや苦しみが広がってゆく。

喜びや、幸せの糸さえも
耐え切れなくて鳴っている。

止めてくれる人もなく、
張りつめたまま、切れるのか...

 
 


 
  「静寂」

静寂、静寂、静寂・・・・・・・・

 
 


 
  「雨だれ」

泣いている雨だれ
笑っている雨だれ

悲しそうな、淋しそうな雨だれ
嬉しそうな、楽しそうな雨だれ

自分を見ているようだ。

 
 


 
  「淋しい.....」

淋しい....

 
 


 
  「冬の陽」

冬の陽が部屋にみちあふれ
外には澄み切った空気が流れてゆく

子どものはしゃぐ声が響き
母親の笑う声が聞こえてくる

心よりざわめきが止んだ時
しきりに眠たさがもたげてくる

空ろな目に、ガラス越しの空がうつり
それもやがてくもりに薄れてゆく

煙草の煙が静かにゆらめき
つれづれな想いもしとどに漂う

今は時計の針だけが進み
何事も変わらぬ。

 
 


 
  「打算」

女が馬鹿に見えるとき
女の中には必ず打算が働いている。

打算が働いているから
馬鹿に見えるのだ。

それは、男も同じ....。

 
 


 
  「偽善者」

この手記の中には、
欲望や、汚さが全て隠されている。

俺は、俺自身にさえも

偽善者なのか。

 
 


 
  「只」

こんなんこと書いていても
別におかしい訳ではない。

もともと変なんだから
只、書いてみたいだけ。

 
 


 
  「母」

母、入院す。

「全快」を願うのみ。

 
 


 
  「嬉野」

嬉野に遊ぶ。
闇は悲しきかな。

 
 


 
  「空しさ」

冷たく乾いた風が砂埃を巻き上げ吹き付けるとき
窓の外には陽射しはなく
どんよりとした鉛色の雲が走り去るのみ。

往来を見下ろせば、
襟をたてた人々が足早に歩み去り
動物達も声をひそめ、物陰に

部屋の中では、
ポットが”シュー”っと湯気をあげ
時計の針が無表情に”コチコチ”と進む。

ラジオは意味の解らぬ音楽を鳴らし
煙草の煙はただくゆっている。

体は気だるく、空しさのみが漂う。

 
 


 
  「新しい垣根」

年は移り、人は変わってゆく。

時の流れは押し留めようもないが
帰り来ぬ日々が懐かしい。

人一人家を作り去ってゆく。

新しい垣根が増えていく....。

 
 


 
  「結婚」

結婚とは何か、未だに決めかねている。

心に抱いたままの姿。
現実にさらさぬ
そのままの姿を失いたくはない。

生身の現実ほど、味気ないものはなかろう。
・・・・これはエゴだろうか。

今までのように気楽に過ごしていけるだろうか

何の為に生まれて来た人々・・・・
・・・・たやすく一緒になっていく。

 
 


 
  「青春」

青春の中に
多くの夢を置き忘れてしまった気がする。

今となっては、
・・・・真似はできても

心だけは取り戻せない。

 
 


 
  「心の針」

大都会の雑踏の苦しみよりも
大自然の懐に抱かれたい。

時の流れは早くなり
心の針は遅れがち。

小さい頃の想い出は
忙しさに押しまくられ、

掌より次々にこぼれ落ちてゆく。

棺の中まで、
・・・・・・・大事に持っていきたいのに。

 
 


 
  「風紋」

風紋のような心。・・・・
掴もうとしても・・・・ 指の間からこぼれ落ちてゆく。

何も生み出しえない程
乾ききってしまった心。・・・・

今、潤いを得れるなら
麻薬でも、酒でも、
・・・・たとい束の間の偽りであっても・・・

・・・潤してくれるものが欲しい。

 
 


 
  「極楽トンボ」

極楽トンボが羨ましい。

極楽トンボであったなら

極楽トンボでいられたに。

今は四枚の羽もなく
空を飛べることもなし。

雨に打たれて地の上を
只、這い回ることのみか。

青い空の白雲も
今は草木の葉陰より
遠くかすかに見えるのみ。

若葉繁れる山の端も
今では見れるすべもなし。

ほんに極楽トンボであったなら
極楽トンボが羨まし。

 
 


 
  終....芽生え 息吹

 
 


 
  最後に、
暗いものばかりの
この書き込み。
でも、これ以上に
もっともっとたくさん
楽しい嬉しい
ことがありました。

それは、大事な想い出として
心の中にそっと閉まっておきます。

私の命のエネルギーだから..................。

 
 


 
  最後に、Webの素材を使わせていただきました
Free Web Graphics の Blue-greenさんに感謝いたします。
http://bluegreen.jp/

 
 

 
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